2022年11月に呼吸療法認定士試験を、2023年5月に急性期ケア専門士の試験を受験し無事になんとかどちらも合格することができました。
結婚のしていない若い時は毎月万単位で自己研鑽に励んでいましたが、結婚すると…。
時間もお金もない!!
今回、管理職でも自己研鑽をする必要があるな、と思い立って呼吸療法認定士と急性期ケア専門士を受験しましたが、ぼくと同じように勉強する時間やお金が課題の人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は呼吸療法認定士と急性期ケア専門士を比較してみました。
今後受験の参考にしていただきたいなと思います。
後輩にはぜひ受験してもらいたいな…
受験までの手続き
急性期ケア専門士の方がラク!
呼吸療法認定士は資格条件に12.5単位以上の単位取得が必須です。
加えて認定講習会に参加する必要があります。
コロナ期間中もあり、ぼくが受験した年はオンラインでの講習会でしたので、移動費用はなかったです。
ですが、以前は平日に東京で数日間の講習を受ける年もあったようで…
コロナによりオンラインが進んで本当に良かったです。
一方急性期ケア専門士は実務経験がクリアしていれば受験可能!
講習会もないので、受験に向けた勉強を進めていけばOKな感じです。
単位取得、講習会など受験までに関門があるのは呼吸療法認定士
申し込んでからのスムーズさは急性期ケア専門士がラクでした。
費用面
急性期ケア専門士の方が抑えられる
なんでも値上がりして物価高な時代なので、費用に関してはかなりシビアになっています。
でも売店でのコーヒーはやめられない…
それぞれ費用面はどうなっているか確認しました。
呼吸療法認定士 | 急性期ケア専門士 | |
受験資格のための研修費用 | 数千円〜 | なし |
認定講習会 | 30,000円(会場+e-ラーニング) | 20,000円(e-ラーニングのみ)なし |
受験料 | 10,000円 | 10,000円 |
認定登録料 | 3,000円 | 10,000円 |
更新手数料 | 3,500円〜 | 5,000円(3年ごと) |
資料・テキスト代 | 5,000円〜 | 約10,000円(テキスト+模試) |
諸費用(郵送等) | 1,000円~ | 1,000円〜 |
交通費 | 場所によって様々 | 試験会場は東京なので県内で受験可能 | CBT試験は
呼吸療法認定士は受験までにいくつかのハードルだけでなく、それに伴う費用は発生していたな…
急性期ケア専門士は試験方法がCBT試験というものになっています。
CBT試験の雰囲気は以下の記事にまとめています。
会場が地元で受けられるCBT試験であれば交通費は圧倒的に抑えられます。
講習会などの費用もないので、費用面では急性期ケア専門士の方が圧倒的に費用を抑えられる!
内容
深みの呼吸療法認定士か、広さの急性期ケア専門士
講習会の講義内容 | |
呼吸療法認定士テキスト | 1.血液ガスの解釈 2.呼吸機能とその検査法 3.呼吸不全の病態と管理 4.呼吸リハビリテーション 5.酸素療法 6.人工呼吸器の基本構造と保守および医療ガス 7.気道確保と人工呼吸 8.NPPVとその管理法 9.開胸・開腹手術後の肺合併症 10.新生児・小児の呼吸管理 11.人工呼吸中のモニター 12.呼吸不全における全身管理 |
急性期ケア専門士 | 1. 救急医療に関する定義と概念 2. 急変発見時の初期対応 3. 急性期に求められるリーダーシップ 4. 症状別アセスメント 5. 急性期医療における家族支援 6. 災害時の救急医療 7. 超高齢化社会における急性期医療 8. 小児救急の特徴と課題 9. 救急・集中治療部における終末期ケア 10. 急性期医療の課題と解決に向けて |
名前通り、呼吸療法認定士は「呼吸」に特化した資格ですし、急性期ケア専門士は「急性期」に特化した内容です。
テキストの項目を見ると呼吸療法認定士では深い内容を学ぶ必要があります。
解剖生理学の理解を必要としますし、人工呼吸器の管理についてMEさんの知識を学ぶ必要もあります。
臨床に生かすための知識ではあるが、かなり大変だったな…
一方で、急性期ケア専門士では急変発見時や災害医療など広範囲で、急性期といっても病院だけでなく、在宅や施設をイメージした対応方法についても学ぶことができます。
急性期の現場で働いている人であれば、急変対応や症状に関してはすでに知識がある可能性が高く、スッと入りやすい気がします。
個人的な感想としては呼吸療法認定士は深い知識を必要とし、急性期ケア専門士は広い知識を必要とする試験かな、といった感じです。
勉強のしやすさ
参考書が豊富なのは呼吸療法認定士!
あなたは参考書が豊富だと勉強しやすいですか?
呼吸療法認定士は27回も試験をしているだけあって過去問や模擬試験が豊富です。
逆に言うとどのテキストを購入すれば良いのかわからないという戸惑いが生まれます。
周りと違うものを買うと不安になるよね…
ぼくの場合は周りで一緒に受験する仲間がいたので、話し合って同じものを購入しました。
それがアステッキから出されているこちらの問題集です。
「青本」というものもありましたが、難易度が高い印象を受けました。
呼吸の分野に自信がない人にとってはアステッキの本が良いのではないでしょうか。
ただアステッキだけだとぼくの理解は深めきれなかったので、その他の参考書も購入して読んでいます。
特にオススメなのは以下の本ですが、売り切れしていることもあったので、早めに購入していて良かったです。
一方で、急性期ケア専門士は2023年度新しくできた資格です。
ですので、過去問が存在しません!
過去問で勉強してきたぼくはもう辛かった…
ある程度勉強の習慣ができている方であれば、テキストだけで勉強が進められるかもしれません。
ですが、そこまで時間のないぼくにとって問題集がないのはどこにいるかわからない場所で必死に地図を探しているのと同じでした。
そこで活躍したのが「模擬試験」です。
急性期ケア専門誌では模擬試験があったので、ひたすら問題を解きながらわからないことは調べるスタイルで、理解を深めていきました。
参考書が揃っているのは呼吸療法認定士!
急性期ケア専門士は今後過去問題集も発売されるかも?
合格してからの感想
ズバリ言います…
呼吸器の患者さん見ていません!!
呼吸器患者さんを担当したいと思いつつもなかなか担当する機会がなく現在に至っています(2023.7)
急性期よりも維持期〜終末期の患者さんを担当することが多いです。
最近では認知症の患者さんに対して作業療法士としてどう関わっていくべきかを考える機会があり、日々学んでいる最中です。
ですが、呼吸療法認定士も急性期ケア専門士も更新のための研修会の参加、学習が必要です。
何もせずにいた時代から何かしている時代へと自分の中で変化が起きていることに自信を持ちながら日々勉強に取り組んでいこうと思います。
結局は自分のキャリアのためにどうするか
ばーっと比較をしましたが、最終的には「費用を低く抑えられるから」「勉強しやすいから」といった理由で受験するわけではないはずです。
「自分にとって必要」だから受験する決断に至るかと思います。
育児や管理業に追われた中でキャリアアップを目指すことを考えたら、急性期ケア専門士の方が正直取りやすい印象を受けましたが、呼吸療法認定士は1年前からコツコツと勉強してきて本当に良かったと思えています。
そして家族の協力が得られて本当に良かった…笑
自分のライフワークと相談しつつ、臨床に活かせるための自己研鑽をしていってください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
今後も自己研鑽がんばるよ〜
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